※ネタバレ多少ありますのでご注意ください
【地球星人・感想】読むのを断念したいくらい気持ち悪い…
村田沙耶香さんの「地球星人」を読みました
いやー気持ち悪かったよ〜〜
三分の一くらい読んで悩んだのよ 「これ…続き読む…?」と…
途中で読むのをやめる小説は
「その時の私には読む必要はない価値はない」
と判断されたものなわけですが(たまに“どうしても寝てしまう小説”も存在するけど笑)
これはそうじゃないんだよね
ただひたすら話の内容が…塾講師による主人公奈月への性的虐待が気持ち悪い許せない読むの辛い…
ずーん…なんですよね
結局しばらく寝かしておいて読むことを決意!
奈月をこのままにしておけない!とね
それに例え酷い展開になったとしてもこれはフィクションよ!と自分に言い聞かせ決意し読了!
結果、、読んで良かった
少なくとも子ども時代より奈月は救われたのでね
【地球星人・感想】「ちょうどいい塩梅」の存在が少なっ!!
このお話は極端な人ばかり出てくるんですよ
世の中の人々は労働と生殖のために洗脳されているとしてそれに抗う人とやたらそれらを排除しようとする人
特に「生殖面」で極端な反応をする人たちばかりが出てくる
どこかちょっと偏りすぎな考え方みたいな人らばっか出てくるのね…
ちょうどいい塩梅の人がいない
でも全くまともな人が出てこないかと言うとそうでもなく
秋級のてるよしおじさんとか人柄も良さそうだし素敵なニオイがするよね
あと大学時代に奈月の話を聞いてくれた女子(ごめん名前忘れた)もまあちょっとお節介ではあるものの良さげな人っぽい
でもそんなまともな人は名前忘れるくらい登場シーンが少ないよね笑
この作風には不必要って感じで敢えてあまり登場させていないように感じました
【地球星人・感想】村田沙耶香さんは太宰治レベルに若者(&精神が若者)に共感されるモノを書ける人かと予想できる
ラストはだいぶ過激で狂人じみた展開になっていて
「やっぱこの人ら(奈月含むポハピピンポボピア星人)頭おかしいね」
と奈月たちを狂人にして終えることで結局私たち地球星人たちは心落ち着くわけですね「やっぱりこの人らがおかしくて私たちが普通よね」みたいなね
これはゾッとした
ここまでラストをエキセントリックにしたことで我々読者はこれを「これはエンタメ作品」と分類し片付けやすくなった…
これは著者村田さんの良心なのではないかな
たぶん村田さんがその気になったら一大宗教とか作れると思うのよ笑
宗教の長になれると思う
そのくらい人を惹きつける強烈な個性感性表現力をお持ちの方なんだなーって思った
私も序盤は共感したもんね 奈月はじめポハピピンポボピア星人に…
この社会で言う「落ちこぼれ」って一つの価値観からの観点でしかない
とかはよく考えることなので…
奈月の夫が暴走するあたりから「よくわからん」になったけども笑
この“ちょっと世に馴染めない自分”のモヤモヤした複雑な心境を言語化してくれる感覚は若かりし頃に太宰治氏の「人間失格」を読んでいる感覚に近いと思いましたね〜
【地球星人・感想】私たちは愛を大切にできる人間である
私たちは動物だけど高度で複雑な感情と感性を持っている
このお話の中では人間を人間たらしめるために重要な概念である愛について「恋愛感情は生殖行為のための麻薬でしかない」といったことで片付けられてしまっている
当たり前だけど人間の性行為は繁殖のためだけに行われるわけではない 愛を表現したり愛を深めるコミュニケーションにもなりうると私は記しておきます
大切なことなんだよ
愛をちらつかせ性的処理を目的とするような動物みたいな人間もいるから見極めも必要ですけどね
奈月みたいに苦しんでいる人がいるのなら少しでも救われてほしいと願いつつペンを走らせるのでありました…
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